会長挨拶
一般社団法人日本粉体工業技術協会の会長として6年目を迎えました。協会を支えていただいている会員、(一社)粉体工学会などの関係学会、関係会社の皆様および協会職員には、日頃より大変なご協力をいただきお礼を申し上げます。
2020年は新型コロナウイルスの蔓延により、協会の多くの活動が中止、延期あるいは縮小となり、残念ながら満足できる結果を残せませんでした。
主要行事である国際粉体工業展東京2020が2020年11月18日から20日に開催されました。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底的に行ったうえで、大幅に規模を縮小して開催しました。展示会来場者は5060名と従来の1/3でしたが、出展各社からは展示ブース来場者が増えたあるいは商談機会が多くあったとの声も聞かれます。大きな困難と不安が伴う中で展示会を開催し、最終的には黒字も確保するなど成果をあげられた東京粉工展委員会および関係者の方々に感謝いたします。
一方、Webを利用した様々な活動は、感染リスクの高い移動や対面接触を避けた安全な手段として採用されております。セミナーでは、粉体入門セミナーや粉じん爆発セミナーはオンライン配信を行い、多くの人たちに聴講されています。分科会も年度後半ではオンラインで活動を行った分科会が多数見られました。オンライン配信については、コロナ禍が収まっても手段として残る可能性が高く、この1年強の間に蓄えられたスキルは、今後も有効に活用されるでしょう。
このように活動が大きく制限された2020年でしたが、協会を退会する会員は少なく、2021年5月の時点では過去最高の328社の法人会員が登録されております。外国籍の会員が準会員として1社加わり、国際化の一歩を踏み出したこともご報告しておきます。これらの状況から、粉体技術が産業界の重要技術として多くの企業が必要としていることも実感され、当協会の存続意義を再認識させていただきました。
2020年に発足したバイオ粒子プロセス分科会は、コロナ禍の中で活動をスタートしました。粉体技術にバイオ視点を加えた新機軸にチャレンジしてくれると期待しております。
技術委員会として精力的に活動し新技術を積極的に発信したナノ粒子利用技術委員会は、5年間の活動を終了し、ナノに関わる技術取り組みは関係分科会に継承することで発展的に終了しました。委員会の皆様ご苦労様でした。
2021年4月より新たにAI技術利用委員会を発足させ、多くの会員が期待するAIを用いた実用化につながる議論を行い、情報を発信していきます。
2021年11月18日は協会発足50周年に当たり、50周年記念式典を京都にて開催します。記念史の発行や記念品の配布の他に記念事業として協会ホームページの全面刷新にも取り組みます。
本年度の主要行事である国際粉体工業展大阪2021は、インテックス大阪で10月13日から15日に、通常展示(リアル)にオンラインを併設したハイブリッド方式で開催する予定です。新型コロナウイルスの感染拡大防止も配慮して、規模は縮小して安全・安心を大前提に開催をします。
新型コロナウイルスによる感染防止は少し時間はかかりますが出口が見え始めた状況ですが、協会は感染防止対策に万全を期したうえで、政府あるいは自治体の方針に沿って活動に取り組みます。協会HPでは、「新型コロナウイルス(COVID-19)感染予防に関する指針」をタイムリーに提示しておりますので確認いただき、活動計画を修正・立案のうえ実行いただくようお願いいたします。
引き続き厳しい運営を余儀なくされております2021年度ですが、皆様と協会職員一同、力を合わせて乗り切りたいと願っております。